第2章 無邪気な天使は悪魔な肉食獣
なのに。
今目の前にいるのは真逆。
獲物を狙う、獣みたいに目を光らせて。
肉食獣みたいに。
喰らい尽くすような、表情(かお)で。
あたしを見下ろす。
「…………っ」
目が合った瞬間、ふ、て笑って。
目を細める彼は、誰。
こんな顔、初めて見る。
「雪乃さん、キスも美味しいね」
「…………し、ら、ない………っ」
「ふふ」
「?」
「だって雪乃さん、いつもと全然違うから、ギャップが凄くて。いつも完璧みんなの憧れ雪乃さんが、俺の下でこんなかわいい顔してんだもん」
「…………だ!!から、そーゆう………っ」
「うん。おしゃべりはもうおしまい」
「え」
「いっぱい気持ち良くなって、雪乃さん」
「!!」
いつのまにか伸びていた手のひらが胸を丁寧に揉んでいく。
片手はその先端を、爪でひっかいたり、舌先で時折突いたり。
「んん………っ」
種類の違う刺激に思わず背中が勝手に反り返る。
「感度いーね、雪乃さん」
「だ…っ、からいちいちそ、ゆ、の、いら、ない………っ」
ピチャピチャと舌が胸を舐めるたびにゾクゾクする。
爪先で先端が引っ掻かれるたびに腰が跳ねる。
あったかい口の中に胸が吸い込まれるたび。
お腹の奥、きゅうきゅうなる。
「腰揺れてる。雪乃さん、こっちも欲しい?」
「ひぁあ、っん………ッッ!!」
長い指先が、下半身へと伸びてきて。
くちゅ、って音が、耳へと届く。
「昨日いっぱいしたから、すっごい柔らかいね、ここ」
つぷ。
って。
簡単に指先が入り込んで。
待ち望んだ刺激に身体が悦び震えるのが、わかる。
「…………ごめん雪乃さん」
「……?」
「やっぱり俺、我慢すんの無理」
伏せ目がちにそう低く呟くと。
彼は秘部へと顔を近づけた。
ぎくり、とするより早く。
「ひぐ………っ」
溢れる蜜を、思い切り啜るように舐め出したんだ。
「や………っ!?うそ、やめ………っ、ぁああ!!や、っぁあ!!」