第1章 世界一かわいい悪魔は今、腕の中で天使になる
「…………っ、おい、し」
ゴクン、て。
喉を鳴らして全部飲み干したあと。
トロン、て。
やっぱり先ほど同様、リッカの身体が光り出した。
「凛太郎………ごちそうさまでした」
指先についた精液をなめとりながら、リッカのとろけた顔が、上目遣いで俺を見る。
「…………っ」
なんっなんだよ。
くそかわいいんですけど!!
サキュバスって。
すげー。
「…………食うとき、光るんだ」
「あ、なんかそう、みたいです。いつもはこんな、光らないですけど」
「そうなの?」
「はい」
だから。
笑顔。
自分がどんだけ天使か、理解した方がいいな、この子は。
「…………」
す、と立ち上がるリッカの腕を掴んで。
見上げる。
「凛太郎?」
「帰んの?」
「はい」
「そんな、トロトロな顔で?」
「え?」
「そんな色気振り撒いて帰んの」
「問題ありますか?」
「むしろ問題しかねぇよ」
って。
いや。
俺も何言ってんだ。
「その、腹減ったら誰にでもまた、すんの?あんなの」
「したくはないですが、生きるためには我慢します」
「我慢?」
「凛太郎のおかげですごく満たされたし、当分は不味いご飯喰べなくて大丈夫そうです。ありがとうございました」
また、ペコリと頭を下げて。
リッカが笑う。
「…………」
「凛太郎、手、離して頂かないと帰れません」
「また、来れば」
「え?」
いや。
何言ってんだ俺は。
「不味い飯より、うまい方が、いいだろだって」
「いいんですか?」
「や、いいんですか?ってそれ、俺の方こそ…………」
めちゃくちゃ、気持ち良かったです。
「はい!!リッカも美味しかったです、凛太郎」
あー!!
立ち上がってぎゅ、て。
思わず抱きしめた。
「凛太郎?」
「…………もう無理。かわいすぎ」