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BAD guys(ヴィラン・鬼・悪役)R18短編

第1章  Bocca della Verità 死柄木弔(ヒロアカ)


歩の父はカトリック教会の神父だった

父といっても血の繋がりはない

異性を操る個性のせいで、母はいつも複数人の男性と関係を持っており、実の父親は誰か分からなかった

アバズレの母親に、誰の子か分からない娘

美しい母娘はやがて世間から疎まれ、身寄りのない女子供を匿ってくれるカトリック教会に流れ着いたのだった





歩は首から下げた十字架を握りしめた


「神の御加護を」


歩は小さな声で呟くが、本当に神様がいると信じているわけではない

神様がいるなら何故、人に個性などをお授けになったのか

私に…こんな個性を…

こんな過酷な運命を…

いや、案外神様はいて、罪深い私たち人間がもがき苦しみ、滅んでいくのを楽しんでいるのかもしれない




超常解放戦線の集会が行われていて、人でごった返している今夜

ホークスの手引きもあり、建物内に侵入するのは簡単だった

変装して入ったが、途中でコスチュームに着替える


ヒーロー名
ボッカデラベリタ
個性
真実の口


コスチュームはカトリックの喪服で、顔の前には黒いレースのヴェールを纏っている

相手を葬るのに最適なコスチューム



幹部はほとんど男性…

もし仮に誰かに発見されたとしても、トガヒミコにさえ遭わなければ大丈夫

異性を対象とする個性のため、同性である女性との戦闘では勝ち目が薄い

そのかわり…

敵が男性で、更に1人ずつであれば負けることはない



それでもなるべく死柄木の元へ到達するまでは、個性を使いたくない

そう考えて歩は、警戒しながらターゲットの元へと急ぐ

潜入したことも一度や二度ではない

個性を使わなくとも彼女は一流の殺し屋である

ホークスが幹部たちを惹きつけてくれている間に、あっという間に死柄木の部屋に到達した
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