第1章 Bocca della Verità 死柄木弔(ヒロアカ)
チュパ…ジュルッ…チュルッ
歩の白い肌に無数の紅い花びらが散らされる
好きな人に触れられて嬉しくないわけがない
求められて嫌なはずがない
この先に残酷な運命が待っていると分かっていても、心の底から彼を拒絶することなどできなかった
それに…
心のどこかでナオが真実のパートナーなのではないかと、淡い期待をしてしまう
口ではヤメテと言いながら歩の身体は反応していた
「ん…あ…ナオ…やめ…」
胸元を貪りながらナオの手が歩の下半身に伸びる
スカートを捲り上げ、乱暴にショーツを引き千切られる
引き千切られたショーツにはシミが出来ていて、ナオはその部分を自分の鼻腔に当てがい大きく息を吸い込む
「スゥー…ハァ…いい匂いだよ歩、こんなにして…本当は歩も欲しかったんだね?」
「やぁっ…やめ…」
「やめないよ」
焦点が合わない虚な瞳のまま、ナオは大きくそそり立った自身を取り出す
そして…
歩の秘部に当てがう
ヌプ…
過去の記憶と共に固く閉じられていた蜜壺をナオがこじ開けるように侵入してくると、それと同時に忌々しい記憶がフラッシュバックする
「いやっ!やめてーーーっ!!」
ズプンッ
歩はナオを全て受け入れた
ジュプッジュプッジュプッ
「歩、歩、歩っ!」
「んっんっんっ」
…ポタリと何かが歩の頬に落ちる
それは歩の上に覆いかぶさる、ナオの目から零れ落ちた涙だった
「アッ…ナオ…どうして泣いて…」
「…歩…ごめ…ん…お前は…必ずヒーローに…」
歩はナオの頬に手を伸ばすと優しく包み込み、唇を重ねた
ブチッ
歩の身体がナオを拒絶した音が教会に生々しく響く
ナオは叫び声一つあげずに、壊死していった
そして歩は命を失って行く彼を、ただただ抱きしめていた
どれほどの時間そうしていたのだろう
歩はフラフラと起き上がると、マリア像の足下に軽くなったナオを寝かせ、乱れた衣服を整えて教会を後にした