第1章 Bocca della Verità 死柄木弔(ヒロアカ)
「ハァハァハァ…」
死柄木は床に倒れ込む歩と、彼女のナカから無事生還して、なお質量の衰えない愛液まみれの男根を交互に見る
「…無事なんだけど、こりゃどういうことだ」
「…ハハハ…ハハハ…アハハハハハ」
歩は気が触れたように笑い出す
「…んだテメェ、良すぎてイカれたのかよ」
「ハハハハハハ…沢山の犠牲を払って…それでもいつか…ってそれだけを拠り所にしてたのに…私の"真実のパートナー"はヴィランだったなんて…ハハハ…」
「あ?何ボソボソ言ってんだよ」
「…壊してよ」
「は?」
「犯して壊すのが望みだったんでしょう?…さぁ早く壊して…」
歩は虚ろな目で死柄木を見上げる
「…待て待て…お前情緒どうなってんだよ、今までアンアン言って楽しんでただろ」
美女を犯して崩壊させたい
そしてそれはボッカデラベリタがいいと思ってはいたが、尋常ではない彼女の様子に死柄木は、当初の目的を忘れて戸惑う
どういうわけか歩の個性は俺には発動しなかった
それとも俺がコイツの個性を勘違いしてるだけ?
力なく項垂れる歩を抱き起こし、とりあえずベッドに運ぶ
「…お前の個性のこと教えろよ」
「…私の個性は多分…あなたが思ってるので合ってると思う」
「だったらどうして俺のコレは無事なんだよ」
「…私の話なんて聞いてどうするの?さっさと壊せばいいじゃない」
「…バカかお前、勿体ないだろ」
「え?」
「幸いお前の個性は俺には効かない、つまり俺はノーリスクでお前を犯し放題ってわけだろ?まだ壊してやんねーよ」
「…」
「…だから話せよ」
そう言った死柄木の声が何故だか少し優しい気がしたのは、気のせいだろうか
気づけば歩はポツリポツリと自分の話をし始めていた
「私の個性は突然変異なの」
「…そうか、俺もだ」
「発現当初は異性を操る類の個性だったんだけど、同じような個性を持った母親が近くにいたから、まだ子供だった私にそんなに強い力はなかった」
それから歩は自分の父親が誰かわからないこと、母親の個性が原因で迫害され、教会で暮らしていたこと、そして牧師が父親がわりに自分を育ててくれたことを話し、胸元の十字架に触れた