第6章 逃がさないんだから…!
暫し、綱手様と私の睨めっこの様な膠着状態が続き、遂に綱手様が折れた。
『はぁぁぁ…。やるだけやってやる。』
やったあぁぁ!!
『ありがとうございます!!』
『その代わり、相当なリスクを覚悟しろよ。』
喜ぶ私の頭を少し押さえつける。
『今から作る呪印は互いのチャクラをほんの少しリンクさせるものだ。リンクさせる事で互いのチャクラを感知する事ができる。』
ほうほう。
『これのメリットは近づけば近づくほど互いの位置が正確に分かるという点だ。デメリットもこれに基づく。』
『つまり、居場所を知られたくなくてもバレちゃうと。』
『そうだ。そして、これは互いの血を互いに混ぜ合わせて発動させるもの。一方的には呪印を付けることは不可能だ。』
『それじゃあ困ります。』
『だろうな。』
だって十中八九拒まれるもん。
一方的じゃないと使えない。
『そこで、だ。これを一方的に植え付けられる様に改良する。それにより、リンクもより深くなる。深くなればその分遠くからでも感知は可能になるだろう。』
おぉ!?
いいじゃん!
『だが、その分リスクも出てくる。リンクが深くなれば命もリンクする。』
『え、じゃあ…。私が死んだらイタチも…ってことですか?』
『そうだ。それにその逆だってあり得る。』
それはないわ。断言する。
けど、私が死ぬ事はあり得そう。
寧ろそっちの方をどうにかしたい。
うんうんと考えてたら、綱手様が小さくため息をついて、ぱっと私の頭から手を離した。
『なんだ、怖気付いたのか?なら止めとけ。そのほ…』
『そのリスク、私だけが負う事は出来ますか?』
イタチが死んだら私が死ぬのはいい。
けど、私が死んだらイタチまで死ぬのは困る。
怖気付いたわけじゃない。
至って普通に聞いたら、綱手様は怪訝な顔をした。
『お前、死ぬのが怖くないのか?』
死ぬ事が、か。
あんまり考えた事がなかったけど。