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もう一度、を叶えるために。second

第5章 やっと追いついた!




ぐつぐつぐつ…。
ぶくぶくぶく…。
ごりごりごり…。

しん…とした室内に兵糧丸を作る音だけが響く。
何でか、ものすごい気まずいんだけど。
何なんだろう?

鬼鮫さんは黙々と本を読み続けてるし、イタチは時々身じろぎするくらいで起きる気配がない。
心配になって、イタチに近づこうとすると「寝かせてあげなさい」とやんわりと止められてしまう。
私も、ぐっすりと寝てる人を起こすのは忍びなくて結局そのままにしている。
だって、治療した次の日って大体の人が疲れてぐうぐう寝るパターンが多いんだもの。
だったらイタチだって同じかもしれないじゃない?

でもなぁ。
それにしたって、って感じなんだよね。
なんか変、って思うんだけど、何が変なのか分からない。

うーん…。


……。


ん?

そうか。
線引きだ。

線引きされてるんだ。
昨日より、距離が遠い。
遠回しに、遠ざけられてる。

でも何で?
気に入らない事があるなら、何で態々遠ざけるの?


近づいてほしくない理由って何?

生理的に受け付けない?
そんなの昨日の時点で言いそうだよね。

何かが気に障った?
だったら容赦なく叩き潰してきそうだけど。

単純に近づいてほしくない?
触られたくないとか?


……。


よし、だったら近づいてみるか。

答えが出ないものは試してみるべし、ってね。

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