第5章 やっと追いついた!
ザック、ザックと落ち葉を踏みながら、森の中を探索する。
「あるある。」
いっぱい成ってる。
兵糧丸の材料がやっぱりあった。
「この薬草と、この木の実と、あとそれから…。」
コナラの木の皮があればベスト。
「あったあった!」
やっぱこの森宝庫だね。
一発で揃ったよ。
空を見上げると、もうすぐ陽が高い位置に来るところだった。
お昼ご飯作らなきゃ。
そう思った時に、ふと、二人の姿を思い出した。
「ふふっ。」
文句は言うけど、なんだかんだ親切な鬼鮫さん。
見た目が怖いけど(漫画でも怖かったけど)、仲間内との顔はちょっと違うのかも。
イタチも思ったよりも友好的。
もっと拒絶されるかなって思ってたから、かなり嬉しかった。
まるで昔に戻ったみたい。
もっと支えていけたらいいな。
兄ちゃんには到底及ばなくても、兄ちゃんみたいに信頼してくれたらいい。
親友に、なれたらいいのに。
…それはちょっと高望みすぎか。
「さて、戻りますか。」
私は来た道を引き返した。