第5章 やっと追いついた!
貰った余りご飯と新鮮な卵を使い、即席のお粥を作る。
鬼鮫さんには嫌な顔されたけど、イタチに合わせるんならこの方が早い。
「イタチ、起きれそう?ご飯作ったよ。」
声をかけると、ぱちっと目を開ける。
「あぁ、今起きる。」
目覚めがいいんだなぁ。
羨ましいこって。
むくっと起き上がったイタチの様子を観察する。
ふらっとしてはないし、顔色もいい。
「ちょっと手貸して。バイタル測りたいから。」
立ち上がったところでまた声をかけたら、黙って従ってくれた。
脈も熱も問題なさそう。
呼吸音も綺麗だし。
「…大丈夫そうだね。」
「そうか…。」
「うん。さ、食べよ。」
私が笑うと、イタチも薄く笑う。
食べて元気になってもらわにゃ。
鬼鮫さんはなんだかんだブツブツ言いながらもしっかり完食し、イタチもまずまず食べた。
食器とかの洗い物を片付けて、私は外に出る準備をする。
「それじゃ、ちょっと森へ出かけてきますね。」
多分、兵糧丸の材料がすぐに集まるはず。
この森、結構豊かなんじゃないかな。
来る途中、薬草とかも見たから救急セットも作れると思うんだ。
これから野営とかも多くなるだろうから、かなり必要になってくる。
「イタチはまだ寝ててね。本調子とは程遠いし。まだ治療終わってないから。」
「…あぁ。」
「鬼鮫さんは、火の番してくれませんか?室内を暖かくしておきたいので。」
「えぇ、いいですよ。」
…んん?
やけに大人しい気が…。
ま、いっか。
「お昼に一度戻ってきますね。」
急いで材料かき集めなきゃ。