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もう一度、を叶えるために。second

第17章 持ちつ持たれつでいきましょ



「でも…、疑問に思うんですけど、何で先生は私を追ってきたんですか?」

現場で状況が分かったんなら、事情だって大体分かるだろうに。

「そりゃそうでしょ。…いや、謝罪が先だな。今回は悪かった、完全に俺達の失態だった。」

真摯に頭を下げる先生にぎょっとする。

「いやいやいや、いいですって。っていうか、私も完全に予想外でしたし。まさか、屋敷まで見張られてたなんて思いもしなかったですから。」

根に付け回されてることは知ってたけど、まさかここまでなんて思うわけないじゃん?って感じだった。
先生は私を見て、ふっと笑ってから居住まいを戻した。

「ま、そんなわけだからさ、可能なら様子を知りたかったんだよ。綱手様だってかなり落ち込んでるし。」

「え!?綱手様が!?」

しょぼくれてるとか想像つかないんだけど!

「いや、お前の想像とはちょっと違うと思うけど。心配で気が立っててさ、若干周りに当たり気味なんだよ。」

「あー…そっち…。」

滅多にないんだけど、綱手様ってジレンマに弱いっていうか。
綱手様にとって、思い通りにいかないと思うことって、案外と少ないんだよね。
大抵のことは想定内っていうか、「そんな時もあるだろ」って笑い飛ばせる。

「ま、シズネがついてるからな。そのうち落ち着くだろうけど。」

そうかも知れないけど…。
綱手様自身も心配だし、負担がのしかかってきてるシズネさんも心配だ。

「伝書鳥って放ちます?」

「放つよ。綱手様に報告するから。」

「その時、私も一筆入れていいですか?」

ダメ元で聞いてみたら、先生は少し驚いたあと、優しく笑う。

「いいよ。その方が綱手様も喜ぶよ。」

「ありがとうございます。」

良かった。
…綱手様も、気にしなくていいのになぁ。

「ま、思ったよりケロリとしてて安心したよ。」

先生はそう言って、わしゃわしゃと私の頭を撫でた。

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