第17章 持ちつ持たれつでいきましょ
双子の雰囲気が超絶怖くて、話せずにいたイタチとのあれこれを最初から説明する羽目になった。
なんかもう、悲しいとかの感情が全部吹っ飛んだまま説明出来たのは助かったけど。
「「前々から思ってたけどさ…。」」
「エニシって馬鹿だよね。」
「馬鹿だね。」
「うるさいなぁ、馬鹿馬鹿言わないでよ。」
なんだよも〜。
「「じゃあ、阿呆。」」
「変わらないじゃん、それ。」
言い方変えただけじゃんか。
「だったら後先のこと考えながら言えばいいじゃん。」
「その場を誤魔化すとかさ、私達を呼び出すとかさ。」
「…う〜ん、でも…」
「「’’でも’’じゃないよ。」」
突っ込みが早ぇって…。
「エニシは私達を見くびりすぎ。」
「私達にだって知恵も力もあるし。」
「ま、無鉄砲ってのは言えるかもねぇ。」
先生が口を挟むと、双子はうんうんと大きく頷く。
「「それそれ。」」
「向こう見ず。」
「考えなし。」
「…そこまで言うか?」
最近、ほんと辛口になってきた。
女の子の反抗期みたいな。
「まぁまぁ。この子達の心配も尤もだと俺は思うよ?大切な人が命を危険に晒すような事すればさ、小言の一つも言いたくなるでしょ。」
そう言って苦笑する先生。
そりゃまぁ、双子の気持ちは分かってるつもりだけどさ。
「それとさ、何で未来に起こるあれこれをエニシが知ってるの?」
「そう。時々引っかかってたけど、聞けなかったんだよね。どういうことなの?」
「あー…それは…ーー」
そちらも全部話をした。
黙ってる理由もなくなったしね。
「あ〜、それでギンか。」
「イタチの気配を探るため?」
「それね。こうなること分かってたって言ってたもんね。」
千雪、紗雪、先生が言うのを、ううん、と首を振って否定する。
「後々、イタチの死を回避したあとに残る穢土転生のあれこれの負担を軽くするために。」
そう言ったら三人は一様に顔を見合わせる。
そして、逃さないと言わんばかりに、がしっと私を掴んできた。
「その辺の説明をもっと詳しく。」
「最初から順を追って話してね。」
三人共、顔こわっ…。