第17章 持ちつ持たれつでいきましょ
ちょっと落ち着いてから、みんなでご飯を食べて、小山の麓に大きめのかまくらを作った。(私も変化を解きました。)
いくら無人島だからといって、廃屋の隣にでかでかと人工物を作る気にはならなかった。
麓でも目立つかな、とは思ったから、半分以上は山に埋まるようにして作った。
表から見えない分、地盤を作るのには苦労したけど、それさえ上手く行けば外装は簡単だった。
「変な所で器用だね、お前。」
「私は全部器用なんですーだ。」
けっ、天才どもが。
負けたなんて思ってないもーん。
悔しくなんかないもーんだ。
「珍しいね、お前が不貞腐れるなんて。」
「べつに、私だって不貞腐れる時くらいありますよ。」
「ま、そうだろうけどさ。けど、こんな些細なことで?とも思うわけよ。」
まぁ…。普段、そんなに気にしないからね。
でも、そりゃそうなるよ、と私は思うわけよ。
「だって命懸けの鬼ごっこやってりゃね、そりゃ過敏にもなるってもので。」
見つかったら、殺される、殺してもいいって言い切っちゃったからにはね。
イタチのことだし、今度こそ逃げる間もなく殺られると思うわけですよ。
少し気が重くなって、小さくため息をつく。
と同時に、しぃーん…と静まり返った周囲を怪訝に思う。
「どした…」
「「ねぇ、今のどういう意味?」」
ガシリと両腕を掴まれて、双子に無表情ながら凄い顔…凄い目っていうの?瞳孔開いてんじゃないかって思うくらいの怖い顔で詰め寄られた。
「最初っから説明してみ?」
先生もにっこり笑いながら、黒いオーラを纏って言ってきた。
いやいやいや…。
え、今私そんな変な事言った?
「「「命懸けの鬼ごっこって何?」」」
あ、変な事言ったね、私。