第17章 持ちつ持たれつでいきましょ
「…まぁ、いい。で、こいつらは何なんだ?」
斬不斬さんは、双子をじろりと見る。
「えっと…。この二人、白虎でして。」
「はあ?」
斬不斬さんは怪訝な顔をし、
「私と口寄せ契約をしてる子達なんです。」
「白虎なんて、何処で…。」
白は唖然とする。
変化中だから尚更信じられないよね。
「元々、大名の御親戚に囚われてた子達だったんだけど、脱走してきたといいますか。」
「「つまんないから、家出した。」」
「だそうです。」
この説明に二人はポカン、と口を開けた。
ま、そりゃそうだ。
「変化は二人して徹底的に覚えたから、ぜんぜん人間として普通に生活できますよ。」
「「窮屈だけどね。」」
二人は半信半疑で唖然としてた。
それから、斬不斬さんが小さくため息をつく。
「…お前ってとことん数奇な星の生まれだよな。」
「数奇?」
「幸運なんだか不幸なんだか分かりゃしねえ。」
「まぁ、そうかも…。」
けど、人生なんてそんなもんじゃないだろうか。
平穏が保証されない世界なんだし。
っていうか、そんな事言ったら斬不斬さん達だって…
「言っとくが、俺とお前を一緒にすんじゃねぇぞ。」
一緒な気がする。
「いてっ。」
「ったく、相変わらずだなてめぇは。」
「斬不斬さんもね。っ!あぶなっ。」
手が早いのは相変わらずだ。