第17章 持ちつ持たれつでいきましょ
あれから、私達は二日ほど森の中に隠れていたんだけど、武器もなく、食料もない状態じゃあ何も出来なくて。
だからといって、このパジャマのような格好で且つ裸足の私とお嬢様姿の双子だと、人里では目立ってしょうがなく。
迷った末に、夜も更けてから人目を避けて、こっそりと斬不斬さんを訪ねた。
二人ともまだ社長室で仕事してたからすんなり会えたんだよね。
白に着替えとご飯を用意してもらい、一息ついてから、質問を受けつつ経緯を説明していった。
「ナメクジ姫でも掌握しきれねぇのか。」
「暗部の裏に’’根’’っていう組織がいまして。更に、上役に根の頭の同期がいるんですよ。多分、頭は上役達に守られてるんだと思う。」
あんなやりたい放題しても咎められないんだから、そうとしか思えない。
「はぁ、何処にでも老害は居るもんだな。」
「まぁ、そんなとこです。」
「で?お前、うちはイタチはどうした?」
「ぅ……。」
え〜っと…。
「「喧嘩した。」」
答えられないでいたら、隣から双子が答えてくれた。
「「仲直り出来ないから当分会わない。」」
…会’’え’’ない、だけどね…。
「…まぁ、大方そんなところです、はい…。」
私を見た二人は、それぞれ違った意味でため息をつく。
「世話の焼ける野郎共だな。」
「大丈夫ですか?エニシさん。」
「うん、まぁ。いずれこうなるって分かってたしね。」
ははは、と誤魔化し笑いすると、二人は一度顔を見合わせる。