第16章 みんなで呑もうよ♪
「ゔ…ぉぇっ…。」
なんだこれ…。
気持ち悪いし、頭割れそうだし、くらくらするし…。
「はい、お水。起きられますか?」
サクラちゃんから差し出されたお水を、よぼよぼと身を起こして受け取る。
口を付けようとして…
「ぅっぷ…。」
水も受け付けない有様だった。
「呑み過ぎですよ、まったく。…はい。」
サクラちゃんから差し出された包み紙に、首を傾げる。
何の薬?
「綱手様から預かりました。これエニシさんが作ったんですよね?名前は確か…」
「’’興醒め’’!」
「あ、それです。」
綱手様も分かってらっしゃるぅ〜!
名前の由来は、呑んでる酒に入れても端から効いて酔いが覚めていく優れものだから。
毎度、仕込まれた綱手様が、「興醒めだ!」って怒るから、’’興醒め’’。
私は素早く包み紙を開くと、さっと口に入れて水を流し込んだ。
「たすかったぁ…!」
二日酔いってこんななんだ…。
これを経験して、尚あれを毎度呑もうと思える綱手様は勇者だ。
「…ぅぇっぷ…。」
「…横になりなよ。…まったく、風邪もあるんですよ。これに懲りたら呑み過ぎには要注意です!」
「ハイ…スミマセンでした…。」
あと二時間の辛抱!