第16章 みんなで呑もうよ♪
やはり、とカカシは思う。
イタチの口ぶりから、死を覚悟していることはなんとなく察せられた。
エニシと死闘になることも、想定内ではあった。
…最悪のパターンではあるが。
紅は全てに驚いているのか、唖然とエニシを見ていた。
「らから、たたかって、いっしょうけんめいににげて、きづいたら、もとのいえにもろってて…。きさめさんからも、おそわれて…。」
ぐしぐしと袖で涙を拭ったエニシは、湯呑みに残っていた酒を全て呑み干した。
ぷは〜、と威勢良くごろんと横になったエニシの顔は真っ赤だった。
…呑み過ぎである。
ーまずいね、こりゃ…。
少し冷や汗を流しながら、カカシは黙って耳を傾ける。
「しってました、こうなること。わすれてた、わたしがわるいんれす。」
「…そんなに傷ついても、帰る気はないの?」
紅の言葉に、顔を顰めながらも勢い良く首を振るエニシ。
「もどるつもりはないれす。イタチがいきてるかぎり、まだおわってないれすから。」
「…知恵比べが?」
「わたしは、ぜっっったい!なにがなんでも!イタチとサスケを、なかなおりさせるって、きめてるんれす。それまで、あきらめません!」
その頑なさに、カカシと紅は顔を見合わせる。
困りながらも、二人がエニシの方を見た時には、既にすやすやと夢の中だった。