第16章 みんなで呑もうよ♪
「まぁ、返せって言われても返す気は更々ないですがね。」
「ふ〜ん。で、他には仲間になった子はいるの?」
「あとは、狐のゴンちゃんと、白蛇のギンちゃんかな。ゴンちゃんは…ーー」
思い出話に花を咲かせつつも、ちびちびと呑み続けたエニシは、遂に呂律が回らなくなる。
眠そうに閉じかける目を、頑張って開けようとしているところから、限界も近いだろう。
もしかしたら、記憶も定かではないかもしれない。
ー今かな。
「で、暁に追われて、川の国で過ごしてからイタチと会ったの?」
「んあ…?…まぁ…そうれすね…。ちりょうしてるときはよかったんれすけろ…。けっきょく、ぜんぶばれてて…。んで、みとどけてくれ、なんてむりなはなしれ…。」
エニシはぐいっと一口呷る。
「しぬのをみとどけるらんて、むりらとおもいません?らから、ちえくらべしようっていって、じかんかせぎしようとおもったら、ここれころすって…。」
そこで言葉が途切れたエニシの瞳から、ぼたぼたと涙が溢れた。