第16章 みんなで呑もうよ♪
それを見てから、カカシはエニシに向き直る。
そして、そろそろ聞けるかと、遠回しに話を振ることにした。
「で。お前、何処で何してたの?」
「なにって、そりゃあ…。イタチの治療をしてましたけど?」
少し硬くなった態度に苦笑が溢れる。
「そりゃ知ってる。その他にもあるでしょ。どこどこでだれだれと会って、とか。二年前に会ったきり、お前の状況を全然知らないんだからさ。」
「…あぁ、そっか。二年前から今…。」
少し考えて、「あ」と閃いた顔をした後、にぱっと笑う。
「双子が仲間になりました。白くて、もふもふで、かわい子ちゃんです。」
「白くて、もふもふ?」
「どんな人なのよ、それ。」
聞くと、エニシはふふん、とドヤ顔をする。
「なんと!白虎なんですよ。驚きじゃないですか?」
それを聞いた二人は顔を見合わせて、同時に怪訝な顔をエニシに向ける。
呂律も怪しくなり始めているところを見るに、とても正気と思えない。
「お前、何処に行ってきたのよ?」
「白虎なんて、幻もいいとこじゃない。」
「それがですね、小さい時に知り合った虎二匹がいましてね。その時は、本当に、普通の、虎だったんです。なんですけど、次に会った時は白虎になってたんです。…いや、嘘ちゃいますよ?」
「嘘よ〜。あるわけないわ。」
紅は冗談に返すように、軽くあしらうも、エニシは気にせず口を開く。
「木の葉の大名で、虎を飼ってた人知りません?あ、御親戚って言ってたかな。」
「…アンコから聞いたことあるわ。虎を助けた時に御馳走を貰ったって。大名の御親戚の確か…。」
「それ、鳴海様の御親戚じゃない?虎が脱走して一時期大騒ぎだったって。…まさか、それ?」
カカシは面倒そうにエニシを向くと、彼女はあっけらかんと肩をすくめる。