第16章 みんなで呑もうよ♪
「効果あったみたいね。」
紅の言葉に、カカシは浮かれているエニシと、巻き込まれるように呑まされたサクラ、ヒナタ、ネジを見る。
「ま、なんだ…。予想以上だな…。」
サクラとヒナタは、ほろ酔いで紅にもたれかかり、ネジは、エニシに肩を組まれ…もとい、がっちりホールドされたまま、慣れない酒を呑み続けていた。
「やっぱり、美味い酒はみんなで呑まないと〜!」
ぷっは〜!とご機嫌なエニシを、隣からネジが恨めしそうに睨み上げている。
だが、ネジも後ろめたさがあるのか、何も言わず、されるがままだ。
…いや、エニシから勧められたネジが素気なく断った時に、見るからにしょぼくれた彼女を見かねた故だった。
ー…可愛そうだし、そろそろ解放してやるか。
「ほら、エニシ。後輩達は酒にまだ慣れてないんだから、その辺にしてあげなさいよ。」
「え〜、せっかく仲直りしたのにぃ〜。」
(和解した覚えはないが。)
(こら、ネジ。)
ぼそぼそと言うカカシとネジの言葉は、酔っ払い人の耳には入らず。
渋々とネジから手を離したあと、ふらふらと湯呑みを持って紅の隣に座るエニシは、並々と注いでは器用に零すことなく、呑んでいく。
「おっいしぃ〜!」
「こらこら、呑み過ぎないでよ?」
「あとちょっと、ちょっとだけ。」
そう言いながら、エニシはちびちびと味わう。
カカシはそれを見て、やれやれと苦笑した。
(カカシさん、俺はもう限界なので、先に寝ます。)
(悪いね。ごくろ〜さん。)
ネジは、よたよたと自分の毛布を取り出して、部屋の隅に横になる。