• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第15章 決別





「何だと!?」

「申し訳ありません。交代の隙を突かれました。」

「…被害は?」

「ありません。薬で眠らされているだけのようです。」

火影室で直轄の暗部から報告を聞いた綱手は、悔しさに歯を食いしばった。

「くそっ!!」

ダン!!

大きな音を立てて執務机が叩かれ、ミシリと嫌な音が鳴る。

「綱手様、落ち着いてください。」

「落ち着いていられるか!エニシが襲われたんだぞ!!」

暗部はその様子に、若干首を竦めながらも綱手が落ち着くのを待つ。
一緒に聞いていたシズネは、綱手を落ち着かせるべく、手を尽くし、同じくそこにいたカカシも何事か思案していた。

「…密偵がいた、と見た方が良さそうですね。暗部の配置換えと人員の見直し、同時に怪しい者には二段構えで尾行を付けるべきでしょう。」

そう聞いた暗部は、頭を抱える綱手を見る。

「…カカシの言う通りに。」

「はっ。」

報告に来た暗部が下がるのを待ってから、カカシが口を開く。

「…綱手様。」

「あぁ、おそらくはダンゾウだ。私の家にまで…!」

「エニシは大丈夫でしょうか…。」

その時、廊下が俄に騒がしくなる。
バタン!と勢い良くドアが開いたと同時にサクラが飛び込んできた。

「助けてください!ネジが…!ネジが暗部に!」

綱手はガタン!と勢い良く立ち上がった。
今、動かしている暗部はいない。
それはつまり、エニシを害そうと動いている根であるということ。

「何処だ!」

「こっちです!」

三人はサクラの後を追って駆け出した。

/ 802ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp