第15章 決別

「はぁ…。それで、赤砂のサソリの能力は本当に知らないの？」

「いや、本当に知らないんです。サソリさんも殆ど自分のお家に籠もってて、カラクリの類も一回くらいしか見たことないし。」

「人相も知らないの？」

「いや、人相は知ってるけど、普段すっぴんでいないですよ、多分。」

「は？化粧でもしてるの？」

「いや、カラクリを被ってるって言ったらいいのか…。そのカラクリも大雑把に亀みたいだな、くらいの印象しかなくて。」

あ、幻術での送信って出来るかな。

「先生、先生。ちょっとこっち向いてください。」

「な、何よ？」

「試したいことがあって。いきます。」

「……？今、何したの？」

「あれ？サソリさんの人相だけでも伝えられるかなって幻術で送ろうと思ったんですけど。」

「何も起こらなかったよ？」

んん？
おっかしいな…。
ま、出来ないならしゃーない。

「デイダラってのは、粘土で爆弾を作るんだったな。こちらもそれだけか？」

綱手様の言葉に頷く。

「寧ろ、それが全てと言いますか。中々手強いですよ、天才肌なんで。馬鹿と紙一重なとこありますけど。」

本人に聞かれたら怒られそうだね。

「一応、砂隠れには情報を伝えておこう。」

「はい。」

今日のところは、これでお開きとなった。