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もう一度、を叶えるために。second

第15章 決別




途中、蜃気楼の術をやるも、難なく見破られていく。

「何度も同じ手を食らう筈がないでしょう?」

分かっていても引っかかるってのがこの術の持ち味なんだけど。
鬼鮫さんには適応外だった。
ただ、森の中なのが救いではある。

「逃げるばかりでは、やがて取る手がなくなってしまいますよ?」

そうは言っても、イタチの治療、更にはそのあとの死闘で残存チャクラは多くない。
瞬間移動は、鬼鮫さん相手だと連発は出来ない。
さっきの長距離がまた使えればいいんだけど、試してみても起動する気配は皆無。
残る手は…


ひゅん!ガガ!!


水の何かが飛んで来た!
玉じゃ…ない…?
鮫!?

「気づきましたか?」

ヤバい!
鬼鮫さんの水鮫弾は、私の土遁を突き破る。

つまり、防御の術はない。

「くそっ…!こうなったら…!」

一か八か、勝負に出る!

「影分身!」

ボボン!と二体の影分身が出ると同時に素早く印を組む。

「ふん…狙いは霧ですか。」

「「その通りです!!」」

火遁、豪火球の術!!


ババン!!!


結構な音を立てて術がぶつかり、広範囲に水蒸気が広がる。
ありったけのチャクラで豪火球を放った影分身はそこでリタイヤ。
残るは、天ノ羽衣で姿を隠した私…。

クナイを握りしめて真上から攻める!


「はあァァァァ!!」

「読めてますよ!」


鮫肌が私の体を真っ二つに割るとボン!と煙と共に消えた。




「ふぅ…危なかった。」

最後のは囮だ。
霧に隠れた私は、残り僅かなチャクラを割って影分身を作った。
そして、二人して天ノ羽衣を纏うと、本体は瞬間移動で逃げ、分身は鬼鮫さんに向かって行った。

私も、鬼鮫さん相手に真正面から行って敵うとは思っていない。
私はそう思っていても、鬼鮫さんはそうじゃない。
襲い来る敵は、薙ぎ払わなきゃいけないわけで。
天ノ羽衣はただでさえ、チャクラを遮断する。
無い気配を追うのは一苦労だ。
そこで短距離瞬間移動が生きてくる。

ただ…。

「きっつ…。」

同時使用はかなりの負担だった。

私は倒れ込むように、手近な木陰へと身を潜めた。

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