第15章 決別
食後に二人でお茶を飲み、一息つく。
すると…。
「あ、そう言えば話って?」
珍しくエニシから切り出された言葉に、イタチの体が強張った。
イタチは顔を少し伏せて、重い口を開く。
「…思い出した事が、幾つかあってな。」
「思い出した事?」
エニシは気安い様子で、お茶をちびちびと飲みながら相槌を打つ。
「前に…言っていただろ。暁のことを前世で知っていたと。」
「うん…、そうだね。知ってた。って言ってもそんな詳しく知ってるわけじゃないよ?どんな人がいて、どんな性格なのか…。いやいや、性格だって第一印象的なものしか知らないよ。」
「…ならば、最初から今の人員構成だったのか?」
何気なく振った話題だったが、これも元々喉のつかえの様な小さな違和感を覚えていた。
「うん、それしか見たことないかな。ペインがいて、小南、鬼鮫さん、イタチ、サソリさん、デイダラ、マスクしてる人が…角都?それと鎌持ってる人が飛段?だよね。他に誰かいたっけ?」
思い出しながら首を捻るエニシに、首を横に振ってみせた。
「いや…。」
やはり、とイタチはぎゅっと手を握る。
「飛段がいつ入ったのか知っているか?」
「飛段って…鎌を持っている奴?」
「そうだ。」
「う〜ん…知らないけど、いつ入ったの?」
「一年程前だ。」
「…え?」
彼女は漸く失言に気付いたと言う様に、顔を強張らせる。
それを見て、彼の中に苦いものが広がる。
更に問いたださなければならないと思うと、胃の腑がずんと重くなる。