第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「時期が来れば実行するのでしょうね…。その時にあなたは命を落とすわ。相手は木の葉のサクラという子。そして、あなたの祖母に当たる人。心当たりは?」
ーチヨ婆か…。
「…ふん、あの老いぼれが出張るとは思えないがな。」
「あなたが出たから、その人も出張ったのよ。」
「はっ…。まぁ、留めておくさ。」
信じないと言いたげな態度が気に入らなかったのか、ライールの眉毛がきゅっと寄った。
「信じないの?」
「さぁな。いかなる場合でも、チヨ婆は動かないってのが俺の予想だが?」
実際のところは半信半疑といった具合だった。
サソリとチヨは血縁だ。
ならば、その可能性は無きにしもあらず。そう思っている程度だ。
ライールはその答えが気に入らないらしく、分かりやすく怫然とする。
「賭けをしましょう。」
「賭けだと?」
ー何を言い出すつもりだ…?
「戦いの最中、あなたの止めとなるのが、あなたが最初に作った人形よ。」
「俺が最初に作った人形…?」
ー何だ、それは。
思い出す事が出来なかった。
記憶を浚うが、失敗作が浮かんでは消えを繰り返す。
「あなたが初めて作った人形は、両親だったそうね。」
この言葉に、サソリが渋面を作った。
存在をすっかり忘れていたのだ。
汚点…とも言えないが、知られて気分の良い存在でもない。
ー成る程。それを持つのは確かにあのババア以外にはいないな。
「それが出てきたら、その戦いから手を引いて頂戴。」
「…俺に尻尾巻いて逃げろって言うのか?」
ー高々、遊びで作った人形如きに。
人形を作ったのは自分であり、改造できる範囲も予測がつく。
そんな手の内が分かるガラクタに引けを取ると思われるのは癪だった。