第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
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静まり返る真っ暗な室内は、キン、と冷えた空気で満たされている。
今はおそらく朝方の時分だろう。
夏と違い、冬は夜長なせいで時間が読み辛い。
サソリはそっと立ち上がるとドームの真ん中で立ち、反対側の隅で眠っているイタチの様子を窺った。
規則正しい寝息が聞こえる以外には微動だにしない。
任務で疲れているのだろう。
今回の任務内容はかなり忙しいものだった。
その為、休む時間があまり取れていない。
いつもの相方がいないのもあり、互いに少しの居心地の悪さも感じていた、というのも原因の一つだろう。
だが、生身のイタチと違い、サソリには然程睡眠による休息は必要としない。
彼は足音を立てずにドアの側まで来る。
鍵をゆっくり開けると、カチャリと小さな音が響く。
静まり返る室内では、小さな音でもやけに大きく聞こえるものだ。
サソリは耳を澄まして様子を窺いながらもゆっくりとドアを開ける。
イタチに起きる気配はない。
それを確認してから、彼はゆっくりドアを閉めた。