第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「だって、エニシが蛇がほしいって。」
「感知能力がずば抜けてる子がいいって。」
うぐっ、何故それを今…!
藪蛇の予感…。
イタチの視線が双子から動く。
「蛇…?どうい…」
「あ〜、ねっ。二人とも無事でなによりだったね。」
イタチの小さな呟きに聞こえない振りをして、私は二人に寄り添う。
すると、二人からじとりとした目が返ってきた。
「「置いてった…。」」
「あーうん…それに関してはごめん。私もまさか外に飛ばされるとは思ってなかったし。」
あの大蛇が大蛇丸んとこのマンダだなんて誰が想像するよって感じだし。
尚且つ、タイミングよく口寄せされるなんて全然思わないでしょ?
双子はそうは思ってないらしく、非難の色は変わらない。
「「エニシ、私達のこと忘れてたでしょ?」」
ぎくっ…。
「「やっぱり…。」」
ぐでっとしながら半眼を向ける二人。
「ごめんなさい。」
色々言い訳はあるものの、二人を置いてけぼりにしたことには変わりなく、素直に謝ることにした。
「「いいよ〜。」」
ほっ。
機嫌が治って良かった。
「あ、そうそう。」
「仲間できたよ。」
二人が身じろぎすると、しゅるしゅるっと白蛇が出てきた。
「え、まさか…。」
まさかとは思うけど、さっきの子?
「うん、道端で拾った奴。」
「シャー!!」
「死にかけてたくせに。」
「シャー!!」
「うるさいなぁ。それより契約したら?」
「…何で君達、会話が成立してるの?」
「「ゴンがいるから。」」
「はい…?」
どこに…って思ったら、二人の間に隠れるように小さくなった小麦色の塊がいた。
「どういうこと?龍地洞にいたの?」
「迷い込んだんだって。」
「食われそうになってたから助けた。」
「…まさかまさかの大暴れ…?」
「「ひたすら逃げた。」」
「あー…それで…。」
だからくたびれてたのか。
納得。