第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「はあぁ…。じゃあ、何か?来年までこのままにしておくつもりか?」
うんうん、と大きく首を縦に振ると、イタチは頭を抱える。
「その前に、今日みたいなことになったらどうするんだ。」
「それはその…。十分気を付けるし、修行不足だったなとも思ったから、鍛え直す方向で…。」
「修行不足…?」
「うん。ここ最近、実戦から足が遠のいてたっていうか、バイト三昧だったからってのもあると思うけど、色々腕が鈍ってるなって感じたし…。」
円をやった時も精度が落ちてたし、肉眼での動体視力も落ちてる感じがする。
ここ最近は双子の指導にも忙しかっ…
「あぁ!!双子!!」
忘れてた!!
いきなり立ち上がった私に、イタチとサソリさんは驚いたように見上げる。
私はそれに目もくれずに慌てて地面に手をついた。
「…!待て…」
ボン!
煙と共に泥だらけの双子が現れて、二人はそのままぐったりとへばった。
ほっ。
良かった。怪我とかはないみたい。
…あれ?
サソリさん何か言いかけてた…?
「…待てと言っただろうが。」
低〜い声が聞こえて、冷や汗がたらり。
そんな事言われましても…。
双子の危機の方が心配だったし。
「…そもそも、お前達何処にいたんだ?」
イタチはあまりにぐったりする双子を労るように体を撫でる。
「「…龍地洞。」」
「龍地洞?何でそんな所に…。」
イタチが怪訝な顔で見やると、それに応えるように二人はちらりと見てからまたぐったりと伏せた。