第5章 やっと追いついた!
小屋の様な家に入り、土間に一組しかない布団を敷く。
そこにイタチを寝かせて服を寛げた。
「まずは状態を確認するからね。」
私は、なんとか気を保っているイタチに声をかける。
「…あぁ…。」
私は写輪眼を開いて手の平にチャクラを溜める。
次いで、イタチの喉元に手を当てた。
酷い爛れ方。
傷だらけで、これは痛いだろうな、ってほど。
次に食道。
うん、さっきの吐血はきっとこれだね。
瘤が出来てる。
チャクラで触れると、あまり良くないタイプのものだと分かる。
そのまま辿って胃。
…うん、思った通りボロボロだった。
だけど、機能としてはまだ上手く働いてる。
痛みはあるだろうけど悪くはない。
問題とすればボコボコっとあちらこちらに咲いている小さな瘤の数々。
とりあえず、今は診るだけだから後で考えよう。
次いで十二指腸。
ここは…、まぁいいでしょう。
その次の小腸も問題ない。
その次の大腸に難ありだ。
爛れ方が半端ない。
もう、コメントできません…。
とりあえず、次!
今度は肺。
…ナニコレ。
今までどうやって生活してきたの、って聞きたくなるレベルで酷い肺炎&末端の肺気腫を起こしていた。
まずはここから取り掛からないことには、十分な酸素供給が出来ないだろう。
もう、いいや。次!
心臓は…、うん、問題なし。
ほっと息をつきたくなる。
肝臓。
…色々突っ込みたいけど、とりあえず機能してるからあと!
膵臓。
よし、問題なし!
細かい所で気になるけどあと!
脾臓。
これも機能してるから後回し。
腎臓。
よし、これはOK。
……。
うん、粗方見終わった…。
今までこんな酷い状態の人見たことないんだけど…。
私は深〜くため息をつきながら、両手で顔を覆った。
なんなの!?この病気の見本市みたいな体は!?