第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
小さい頃、一回だけされたことがある。
木渡の高速移動の練習中に足を踏み外したところを助けてもらった。
あの時は緊急的だったからまだ納得の仕様があるというか。
でも今は…ねぇ…。
「あの…」
「揺れるぞ。」
「……!?」
申告通り、覆っていた薄橙色のチャクラが消失して急に落下を始めたもんだから、咄嗟にイタチに掴まってしまった。
問答無用でお姫様抱っこの完成です。
…くっそ恥ずかしいんですけど…。
イタチはそのまま地面に私を降ろすと、徐に私の左腕を掴んでトレーナーの裾を捲る。
その眼には写輪眼。
「あ…。」
「やはりな。これは調節機能だな?」
…無言でお口チャックでござる。
「いつものように開け。」
…問答無用でした。
そして、確信的。
全部ばれてーら。
「何で開くの?今、チャクラ切れだよ?」
「承知の上だ。試したいことがある。」
私はそれを聞いて、渋々と右手で呪印を覆うように腕を掴むと、ちょっとだけバルブを開く。
手を離すと、すかさずイタチの手が呪印の上に重ねられた。
すると、ぶわりとチャクラが流れ込んできて、思わずイタチを見上げる。
「…やはり。繋がっているのは心臓の経絡系か。俺に呪印を入れたな?」
「おぉぅ…。」
一聞いて十を知る。
それをこんなに正確に出来る人を、私は他に知らない。
完璧すぎて、ぐうの音も出なかった。