第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「珍しいわね。あなたが誰かを庇うだなんて。」
「別に庇っちゃいねぇよ。それよりいいのか?そんなのんびり構えてて。」
「……!!」
言葉より早く、カラクリが大蛇丸達を襲う。
一太刀でも当たれば致命傷らしく、蠢くほどいた蛇達はばたばたと倒れていく。
あっという間に、立っているのは大蛇丸と自来也様だけとなる。
「ふふふ、さすがね。蛇をも凌ぐ毒を操るなんて。」
「厄介な…。」
対照的な二人の言葉に、サソリさんは鼻で笑う。
「俺の真骨頂はこんなもんじゃないぜ?」
暗に、まだやるか?って聞いたんだろうね。
自来也様はげんなりした。
「止めじゃ、止め。儂は勝機のない将棋は打たない主義でのぅ。」
「私も止めておくわ。泥試合は嫌いだもの。」
大蛇丸もそう言うと、問答無用でマンダの口寄せを解除し、闇に紛れるようにするっとその場を離れた。
自来也様は、やれやれとため息をついてから私をひたと見る。
「今度は逃さんからのぅ。覚悟しとれ?」
御免被るがね。
盛大に顔を顰めた私を見た彼は、ふっと笑ってボンっと煙と共に姿を消した。
ともかく、なんとかなって一安心だ。
気が緩んだせいか、息をついた途端、崩れるように座り込んでしまった。
久々のチャクラ切れ。
それもマイナスに振り切れるまで出し切ったのだ。
制御不能のバルブの怖さは半端なかった。
「やれやれ…。」
隣から小さなつぶやきを拾い、苦笑が漏れた。
この状態だとイタチも心配になるわな。
場所も移動しなきゃだし、安全な所まではしっかりしなきゃ。
よっこらせっと立ち上がろうとした時、ふわっと体が掬い上げられた。
「……!?」
一瞬何が起きたのか分からずにいたところに、イタチのドアップが隣にあって、あって気が付いた。
「掴まれ。」
…所謂、お姫様抱っこ…。