第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「エニシ。俺とお前の経絡系が一部、繋がってるな?」
ぎくっ…。
「やはりな…。ならば、俺からのチャクラの受け渡しは出来ないのか?」
…さすがに気づかれたか。
そうだよね…あんだけ盛大にチャクラが流れれば嫌でも気づくってもんか。
「一方通行だから、私からイタチへは出来るけど、イタチから私へは出来ないの…。」
何となく、この答えは予想出来る…。
そろりと見上げて、おっかなびっくりとドキドキしながら見ていると、無表情が盛大に顰められた。
「今すぐ術を切れ。」
やっぱり!
ぶるぶるぶるっ!
「き、切らない。む、むりっ…!」
すぃ〜っと視線を逸らしながら言うも、隣からはひしひしと怒りのオーラを感じる。
「いいから、術を解け。お前の命に関わるようなものを野放しにはできない。分かってるのか?偶々、俺が近くにいたからどうにかなったようなものの、そうでなければどうなっていたことか。」
ご、ご尤もなんですが…。
「ごめん、術は解けない。解き方知らないから…。」
はい!渾身の嘘です!
顔を見られたくなくて、両手で覆って隠した。
「一回発動したら私が死ぬまで術は消えない。」
嘘ではないけど、正確でもない。
バルブを封印すればリンクは一時的に切れるから、消えはしないけど術は止まる。
うぅ、ここは引いてほしい…!
見て見ぬふりしてくれないかな…。
少し、息を呑むような間があった後、小さなため息が降ってくる。
「…この話は後だ。先にここを離脱する。」
ほっ…。
けど、後で追求されることを思えば胃は重い。
「お前らは本当に空気を読まねぇな。」
嫌そうな声に、指のすき間からちらりと見てみると、ヒルコの尾がゆらゆらと揺れていた。
すると、上空に留まっていたカラクリが一斉に動き出す。