第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「はあぁ…。ありがと、助かった。」
危なかった…。
まだ視界は揺れるけど、さっきほどじゃない。
改めて見てみると、私達は薄橙色の不思議な空間に浮くように立っている。
これってもしかして…
「須佐能乎?」
「そうだ。」
硬い声が返ってきて、そろりとイタチを見ると、彼は正面を見据えて写輪眼を開いている。
その視線を辿ると、向こう側には大蛇丸が呼び出した大蛇とガマ吉が並んでいた。
手前には数え切れない程のカラクリを展開したサソリさん、その後ろに須佐能乎を纏った私達がいる。
「横槍を入れるたぁ、随分な真似しやがるじゃねぇか。あ?」
「あら、マンダ。今日は随分感情的じゃない。」
あの大蛇、マンダって言うんだ。
柄悪いなぁ。
「自来也。ありゃあ、一旦引いた方がいいぞぃ。随分と強力な毒を持っとるようじゃからのぅ。」
「そのようだな…。ガマ吉、お前さんは引いていいぞ。」
「そうさせてもらうわぃ。」
ボフン!という大きな音が響き、大量の煙と共にガマ吉が消えた。
「けっ、腰抜けが!虫一匹殺せないたぁ、情ねぇ!」
ゲラゲラゲラと褒められたもんじゃない下品な高笑いを響かせて、マンダの巨体が揺れる。
サソリさんはその成り行きを黙って見ているだけだ。
そんな分かりやすい挑発に乗る人じゃないしね。
「起きれるか?」
「…ごめん、暫く無理そう。」
支えられながら下ろしてもらい、なんとか両足で立つ。
チャクラ切れが酷すぎて体が思うように動かせず、足元が覚束ない。
イタチはやれやれと言うように小さく息をつく。