第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「何故、この者等と…。」
お、今だったら聞いてくれるかな?
「え〜と、説明してもいいでしょうか?」
大蛇が困惑気味に、こちらに顔を向けた。
その間、蛇くんがシューシュー言いながら、大蛇に何か話してる(様にしか見えない)と、驚いたように大蛇が蛇くんを見た。
それから、改めてまじまじと私の顔を見る。
「誠か…?」
「…何が?」
いきなり聞かれても、蛇語は分かんないよ?
今の会話っぽいのは聞いてたけど、ちんぷんかんぷんだった!
「何でドヤ顔なの?」
「さあ?」
なんか、冷静に観察されるとちょっと恥ずかしい気が…。
「今度は照れてるの?」
「エニシって、何考えてるのかさっぱり分からないね。」
え、初めて言われた。
ってことは、ちょっと顔に出やすいってだけで、案外と普通の部類なのかも!
忍っていう人種が異様に聡いだけで!
一人感動してると落ち着いたらしい大蛇が言葉を続けた。
「…そうか、そうだったな。外界の者らには私達の言葉は通じぬのであったな…。にも関わらず、この子を助けてくれたことには礼を言う。」
「あ、いえ。こちらこそ、ここまで案内してもらったんで、お互い様です。」
蛇くんがいなかったら、今頃はまだ迷子だ。
そう言ったら、大蛇は何とも言えない顔で蛇くんを見た後、するすると元の女の人の姿に戻った。