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もう一度、を叶えるために。second

第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?




暫く、日本庭園みたいな所を幾つか通り過ぎていくと、霧が濃くなりはじめた。
そのせいで、段々と一寸先が見えづらくなっていく。
エルフの島よりかは薄いけど、今は夜だから、どっこいどっこい位には視界が悪い。

そろそろ不味いんじゃないかな…?と思い始めたところで、一人の女の人と会った。
黒髪を後ろの低い位置でお団子にして、金の飾りが付いた簪で留めている。大きな目で少し吊り上がってるのが特徴の美人さん。
額には満月を思わせる金の丸飾りをしていて、耳には勾玉のイヤリング。胸元には三つの勾玉が首飾りとして掛けられている。
それから、古墳時代や奈良時代を彷彿とさせるような裾の長い白い着物と、天女を思わせるふわふわとした衣を纏う。足元にはちらりと見える黒い古風な沓。
明らかに浮世離れしてる感じ。

その人は私達を見た途端、一瞬固まったけど、ふわりと宙に浮き、吊り上がった目に爬虫類特有の瞳が浮かび上がった。

「誰じゃ!!不届き者が!ここを何処だと思うておる!!」

…やっべ。
うちら、めっちゃ不法侵入になってない?

「あ、あの〜…。」

「言い訳は聞かん!!成敗してくれる!!」

えぇぇ〜…うそん…問答無用ですか…。

「おぅわっ…!」

ひゅひゅん、と繰り出される不規則な尻尾攻撃を写輪眼と怪力技を使って躱していく。
周りと同化するらしく、霧が濃い事も相まってちょっと見づらい。

「おのれ、ちょこまかと…!!」

攻撃が入らないのに業を煮やしたのか、顔は勿論、全身が蛇へと変わっていく。
最早、首に人間の服を纏った大蛇だ。
…変なの。

「「ガオォォ!!」」

おっとっと。

「あ〜ダメダメ、手を出さないの。去なしてもいいけど攻撃はダメ。いい?」

攻撃の手を躱しつつ、臨戦態勢を取る双子に言い聞かせると、大蛇の勢いが戸惑うように弱まった。
その隙にと思ったのか、私の服の中から蛇くんがぴょんっと飛び出していった。
んで、そのまま大蛇に甘えるように絡みつく。

「おま、え…。」

おぉ〜。
攻撃の手がぴたりと止んだぞ。

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