第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「ここだ!」
一つ一つ確かめたり、木の上から見たりして、ある程度の規則性を見つけた私。
罠はなく、道標的な物っぽい。
順々に辿っていくと、最後の一つである小さな石碑の向こう側にぼんやりとお堂が見えた。
二人にはまだ見えてないみたいで、私が先導しながら、そろりそろりと近づいていった。
意外と大きいな。
二階建て?三階建て?ような作りで、一階部分は門になってて、全開になっていた。
提灯みたいのは吊るされてたけど、灯りは点いていない。
夜だし、寝てるのかしら。
気配はするのよ、気配だけは。
入り口の所で、中を覗きながらそっと「ごめんくださ〜い…」と声をかけてみた。
当然、「は〜い」なんて声は返ってくる筈もなく…。
「「…居留守?」」
「時間帯を考えようか、君達。」
言い方ってあるからね?
なんだったら、今、丑三つ刻に近いからね?
はあぁ…。
こんな調子で、ここの人達に余計っこと言わなきゃいいけど…。
あれ、そういえば…静かになったな。
蛇くんはというと…。
トレーナーの中を覗くと、小さく、シューと言いながらこちらを見上げた。
何か言いたげな感じがするんだけど、さっぱり分からん。
「出てくる?」
聞いてみたら、答えるようにしゅるしゅるっと襟首から頭だけ出してきた。
そして、きょろきょろとしてからくいっと門の中に引っ張られる。
「え、中に入っていいの?」
とりあえず、誘われるがままに敷居を跨いでみる。
…うん、怒られる気配も罠もなし。
ふと振り返ると、双子が戸惑いながら前足を踏み出そうか出すまいかと、右往左往しているのが目に入る。
「おいでおいで。」
手招きすると、二人は、えいやっといった感じで一歩踏み出し、そのままとことことついてきた。