第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「「コイツ!やっぱり食べてやる!!」」
「シャー!!」
「はい!スト〜ップ!!」
堪らず、ヒートアップする両者に両手を広げて待ったをかけた。
「「でも!!」」
「はいはい、分かった分かった。でもね、今、静か〜に行動しなきゃならない時。目立つと見つかるから、ね?」
言いながら、私はトレーナーから顔を出した蛇くんを服の中に押し込む。
「君はこっち。起こして悪かったね。もう一回寝ようか。」
ふぅ〜。
漸く静けさが戻ってきたぜ。
私は目の前でぶ〜たれた二人を宥めるように撫でる。
「う〜ん、困ったねぇ。」
私は、大蛇丸んとこで読み漁った記録冊子の記憶を思い出す。
何十年か前の記録が結構あって、辿ってったらそれっぽい冊子に当たって…
「確か…。そう、火の国との境界だった。」
滝隠れとの境だけど、雨隠れに近い場所。
…うん?
「あれ?そういえば、雨隠れと滝隠れの間って草隠れがあったよね?」
リュックを漁って地図を引っ張り出すと、改めて見てみる。
やっぱり、草隠れがあった。
あの時見た簡易地図と違ってる。
「昔と境界線が変わったのかな…?」
戦前後だったし、ごたごたはあっただろうから、昔と境界線が変わってもおかしくはない、かな…。
とすると…
「ん?」
なんか、服の中で引っ張られる感じがする。
しきりに一定方向だけ、ぐいぐいと。
その方向に進むと、ぐいぐいがくいくい位に柔らかくなる。
止まると、またぐいぐいが始まる。
進むと柔らかくなって、止まるとまた引っ張られる。
もしや…?
「何してるの?」
その声に後ろを振り返ると、双子が不思議そうに見ていた。
私はにんまり笑うと手招きをする。
「ちょっとさ、試しに行ってみよう。」
「「何処へ?」」
「う〜ん…風の赴くまま?」
蛇の赴くままに、なんて言ったらまた喧嘩が始まりそうだからやめといた。
「行こ行こっ。」
ちょっとウキウキしながら急かしたら、双子は怪訝そうにしながらもついてきてくれた。