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もう一度、を叶えるために。second

第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?





「ねぇ、本当にここで合ってるの?」

「ぜんぜん着かないよ?」

「おかしいなぁ…。こっちで合ってるはずなんだけど…。」

ただいま、絶賛、迷子中…。

滝隠れと雨隠れの間だった気がするんだけどなぁ…。
…あれ?記憶違いってことないよね?

「ねぇ、白蛇なら知ってるんじゃない?」

「龍地洞って蛇の住処なんでしょ?」

「合ってるような、合ってないような…。」

あくまで、蛇の仙人が住まう処、だからね?

…まぁでも、手がかりもないことだし、試しに一度蛇を出してみますか。

トレーナーをジーンズから引っ張り出して、中から折り畳んだ風呂敷を取り出した。
そっと捲ってみると…

「気持ちよさそうだね、キミ。」

すやすやと寝てた。
意外と図太いな。
この子の個性なのか、どうなのか。

ちょんちょんとつついてみると、むくっと頭を起こしてこちらを向く。

「龍地洞に行きたいんだけど、知らないかな?」

言葉は分からないながらも、何かしら動き出してくれることを祈って、そっと風呂敷ごと地面に置いてみる。
そしたら、ひゅんっと目にも止まらぬ早さで、また私の懐に潜り込んできた。
なんちゅ〜早業…。

「役に立たない。」

「もう、食べちゃえば?」

双子がそう言ったら、服の中に潜った蛇くんが襟首から顔だけ出して「シャー!」と二人を威嚇する。
この子、もしかして人の言葉を…

「「ガオォォ!!」」

「シャー!」

…こっわ…。

激しい威嚇の掛け合いにちょっと冷や汗が浮く。

「…うん、私を挟んで喧嘩するのやめてくれる?」

怖いよ、君達…。

忍のくせにビビり過ぎって?
いやいや、実際見てみ?
目の前の大虎は噛みつかんばかりに大きな口開けてるしさ、蛇は首に近い場所で牙むき出しにしてるし。
蛇って毒持ちってイメージあるから地味に怖いんだよね。

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