第13章 思ってたよりも綺麗な人
…ん?あれ?
まさか、小南…?
うそでしょ?ほんとに空飛んでるよ。
そのまま上空を通過するかと思った矢先、何でか急降下したもんで、慌てて臨戦態勢になった。
「エニシ!?あなた、こんな所で何やってるの!」
お、おこられた…?
「え、あ、え〜っと…?」
どっちだ?
小南はどっちの味方?
「早く逃げないと…!オビトに目をつけられたのよ。殺されるわよ…!」
オビトに目をつけられた…?
どういうこっちゃ…?
めっちゃ心配されてる感じ。
予想と反応が違い過ぎて調子狂うなぁ。
っていうか…
「逃げるって…何処へ?」
オビトに目をつけられたんなら、何処に逃げても一緒のような気もするけど…。
まごつく私を焦れったそうに見た後、小南は少し怒ったように短く息を吐いた。
「いらっしゃい。アジトを開けてあげる。」
「アジト?」
「この前の家よ。」
え、それって…
「小南、大丈夫なの?」
暁への裏切り行為なんじゃ…。
「私の心配より、自分の心配をなさい。急ぐわよ。」
私達は急かされるように走り出した。