第13章 思ってたよりも綺麗な人
「探知能力がずば抜けて高い子がほしいのよ。後々のために。」
「私たちだって探知は得意だよ。」
「エニシだって得意じゃない。」
「いや、それを遥かに凌駕するような能力を持った子がほしいなって。」
「「…何のために?」」
「それはまだ言えない。」
「「ぶ〜。」」
こればっかりは、拗ねられても強請られても言えないんだなぁ。
「その時が来たら分かるよ。あと二、三年だからさ。」
なんせ、世界大戦だからね。
と、その時。
誰かの気配が近づいてきてるのが分かった。
二人も気づいたみたいで、ぶわりと気が鋭くなる。
「「エニシ。」」
「分かってる。」
私は急いで、暗緑色の大きな風呂敷を二枚取り出して双子の背に被せると、出来る限り体勢を低くさせた。
こういう時、夏の方がいいよね。
草や葉っぱが上手く隠してくれるから。
今は冬に近いせいで、紅葉を通り越して枯れ木になってるから上から丸見えだ。
辛うじて枯れ草があるから、それに少しでも紛れられることを願う。
それにしても誰なんだろう。
人の気配であることは確か。
感知するところは、一人か二人か。
だからといって、イタチではない気がする。
あ、人影が見えてきた。
一人かな…?
でも、動きがおかしい。
まるで空を飛んでるような動き。
普通の人じゃないね。同業者だよ、あれ。
でも、不死身コンビにしてはおかしい。
シルエットも違う…。