第13章 思ってたよりも綺麗な人
「は〜食った食った。」
「満腹、満腹。」
「…それもデイダラ?」
「「うん。」」
またか。
悪影響を与える大人の代表格じゃん。
帰ったら説教してやる。
「うぉわっ。」
もぞもぞする。
トレーナーの中を覗くと、こちらを向いてシューと小さく鳴く蛇がいた。
どうやら元気になったらしい。
ちょっと可愛いやんけ。
「外に出てみる?」
聞いたって分かるわけないか。
…って思ったんだけど、聞いた途端、逃げるようにもぞもぞと蹲ってしまった。
………?
偶々かしら…?
言葉が通じたような…。
ま、いいや。
しかし、蛇かぁ…蛇ねぇ…。
なんか引っかかるなぁ。
蛇と言えばおろちま…
「る〜!!」
「「何!?」」
「忘れてた!」
「「何を?」」
双子はな〜んだ、と言わんばかりに脱力する。
「私、龍地洞行きたかったのよ!」
何でこんな大事なこと忘れてたんだろ。
折角アジトにまで潜入したってのに。
…あ〜そうか…。
あの日、サソリさんとデイダラが来て、それどころじゃなくなったんだっけ。
「だからか…。」
でも思い出して良かった。
「りゅうちどうって何?」
「それって、どこにあるの?」
「確か…滝隠れと雨隠れの間…だったかな…?」
「何しに行くの?」
「仲間を見つけに。」
ぐっと親指を立てたら、凄い微妙な顔をされた。
何で?
「私たちがいるのに…。」
「ゴンだっているのに…。」
「え、あ、いやさ、別にみんなじゃ足りないって言ってるわけじゃないんだよ。足りない能力を確保しておきたいっていうかさ。」
前々から思ってたんだよね。
イタチがその後を生きた時、穢土転生する筈だった穴をどう埋めようか、ってさ。
上手くいくとは限らないけど、ちゃんと準備はしておきたいなって思うじゃん?
そんな事を思ってる時に、ゴンから大蛇丸のアジトのことを聞いたもんだから、閃いたの。
ゆくゆくは当たることになるであろう、薬師カブト。彼の気配を探るすべがほしいと。
蛇の道は蛇、ってことで、仲間の気配を敏感に感じ取れる子がいたらなぁ、と思ったのです。