第13章 思ってたよりも綺麗な人
さてと。
問題は今からよ。
「…今日、野宿かしら?」
だってさ、人里なんて行けないじゃん?
二人がいるし、いなくても見つかりやすいし。
家にだって帰れないし。
里帰りなんて以ての外だ。
行く所なくね?
「どうしたもんか…。」
ん…?
あれは…
「蛇…?」
枯れ草の間をゆっくり横切るうねうね。
どう見ても蛇の動きなんだけど…
「白いんだよね…。」
蛇って、普通、黒じゃん?それか茶色。
「何が?」
「蛇?」
双子から手を離して、白い物体へと近づいていくと…。
…うん、蛇だね。
「珍しい。白蛇なんて初めて見た。」
白蛇って縁起がいいことで有名だよね。
「おいしそう。」
「おなかすいた。」
「うん、やめようか。」
そこら辺の蛇を拾って食うもんじゃありません。
「せめて兎にしようよ。」
「うさぎ、小さいからすぐなくなる。」
「腹の足しにならねぇ。」
「腹の足しに、って…何処で覚えたのよ、そんな言葉。」
私、教えた覚えないよ?
「「デイダラ。」」
…あの阿呆めが。
ふと、蛇が気になってそちらを見ると、さっきから動いていなかった。なんだったら痙攣してるようにも見える。
「どうしたんだろうね。」
「「ね。」」
どこか怪我でもしてるのかな?
手を当ててチャクラで診た感じは、どこにも異常はなさそうだけど。
「冷たっ。」
触ってみたら、氷のように冷たい。
あれ?そういえば、蛇って寒さに弱いんじゃなかったっけ?
ってことは、もしかして凍死しかけてる?
巻物から小さな風呂敷を出すと、二重に畳んで、そっと蛇を乗せた。
逃げる気配は全くなく、もう、されるがままだわ。
「とりあえず…と。」
蛇をぐるぐる蜷局を巻かせてコンパクトにして。肌が見えないように布地をしっかり被せて。
いきなり懐へ入れるとこっちが寒いから、まずはジャンパーの裏側へ。
「これで良し、と。」
「食べないの?」
「食べればいいのに。」
「うん、だから止めようか。」
拾い食いはいけません!