第13章 思ってたよりも綺麗な人
さて、と。
そろそろ、お暇しましょうかね。
立ち上がった時、ふと思い出した。
「あ、もう一つ。長門さんの持つ、片目だけの輪廻眼。あれはうちはマダラのものです。」
「な、に…?」
「…長門の輪廻眼は両眼よ。」
「今はそうかもしれない。けど、子どもの頃、片目だけじゃなかったですか?」
そう聞いたら、長門さんは益々息を呑んで固まった。
それを見て、苦笑せざるを得なかった。
この人はつくづく過酷な運命を背負ってるんだなって思った。
「それも…?」
「前世で見ました。自来也様がそれを見て不思議がってたのを覚えています。私も片目だけっていうのがとても印象的だったので。」
「そ、んな…!じゃ、じゃああのマダラが仕組んだって言うの…!?」
「小南が言ってるのって、実在してる人だよね?時折、会ってる人。」
「…そんなことまで…。」
「うん。でも、そいつ、本人じゃないよ。ただの代理人。本当の名前はうちはオビトって言うの。本人はもうこの世にいないよ。」
「「なっ…!」」
衝撃だよね。
私も衝撃だった。
「うずまき一族である長門さんだから狙われたんだって。」
「…それも俺が…?」
「いいえ。この後起こる大戦中に、マダラ本人が言ってました。」
幼い長門さんに、地下で動けなかったマダラがどうやって?って思うけど、本人が言うんだし、そうなんだろうな。
「出鱈目じゃないだろうな?」
私はその言葉に肩をすくめる。
「証明は出来ないので、信じられないと言われればそれまでです。ただ、長門さんが悲しみと憎しみの連鎖の一部になってるって知ってほしかっただけです。」
小南は悲しげに目を伏せた。
長門さんに思うところがあるんだろう。