第13章 思ってたよりも綺麗な人
ここは火の国の辺境で、滝隠れに近い。
小南の家はこじんまりとしたウッドハウスだった。
「靴のまま上がっていいわよ。」
「お邪魔しま〜す…。」
三人でそろりそろりと入る。
…だってお家ピッカピカなんだもん。
私達今、泥だらけだからさ。双子なんて足デカいから、足跡くっきり。
「三人とも、汚しても大丈夫だから入ってらっしゃい。」
三人で途方に暮れてたらくすくすと笑われた。
「ごめん…。」
「気にしなくていいわよ。それより、自分のを治しちゃいなさいな。」
「うん、じゃあ、お言葉に甘えて…。」
私は影分身を出すと、背中側は任せて手の届く範囲を治療していく。
「治った?」
「うん、全部治ったよ。」
その言葉を待っていたとばかりに双子が頬擦りをする。
「ごめんね。」
「ごめんね。次は上手くやるから。」
気にしてたのね。
私は苦笑しながら二人を撫でる。
「大丈夫。次は期待してるよ。それより、誰かから教えてもらったの?」
誰かの入れ知恵があったとしか思えない。
「デイダラとイタチ、それと小南。」
「え?え!?」
知ってたの!?
私が驚いて彼女に振り向くと、くすくすと笑う。
「二人から、内緒にしてって頼まれてたの。出来るようになって驚かせたかったんですって。」
双子の方に向き直ると、二人は「くぅん」と一声鳴いて甘えてきた。
「なんだよも〜。」
私がわしゃわしゃと二人を撫でると、彼女達は嬉しそうにごろごろと喉を鳴らした。