第13章 思ってたよりも綺麗な人
防御なしで、とにかく突っ込んでいくスタイルでやってたら、見事に傷だらけになっちゃった。
けど、お陰で、最初は出来なかった術も何回か試してると出来るようになってきた。
私の万華鏡による時空間移動は、四代目が開発した飛雷神の術に似ていた。
飛雷神はマーキングするのに対し、私は視認するだけでいい。
飛雷神とは違い、私の能力は空間を捻じ曲げてる感覚。入口である私の近くと出口である敵のすぐ側の時空間をくっつけてるって感じがする。
でも、オビトとは違い、グルグルのエフェクトは出てこない。
近距離だからだとは思うけど、チャクラを調整すれば乱発も可能だった。長距離も練習すればどうにかなりそうな気はする。
「ま、まってくれ…!」
待つわけないじゃんね。
「ひっ…!……。」
最後の一人を倒して、漸く場が静かになった。
岩鋭槍を解術して、と。
槍にかかった奴は思ったよりもいた。
それに完全に止めを刺すと、辺りには三十近い死体が転がった。
はっ…!
それよりもミケが怪我してるんだった!
「ミケ!怪我見せて。」
「かすり傷だよ。」
「かすり傷でも見せて。」
彼女を伏せさせて傷の具合を診る。
確かにかすり傷で毒性もないみたい。
このまま傷を塞いで良さそうだね。
「どう?」
「うん、痛くなくなった。」
大丈夫そうだね。
「エニシも傷だらけ。」
「私は大丈夫だよ。それよりタマはどう?怪我してない?」
タマの顔を撫でながら体を診ていくも彼女は無傷。
…ん?