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もう一度、を叶えるために。second

第13章 思ってたよりも綺麗な人



岩鋭槍地帯を抜けると、周りに人の気配はなかった。
私を囮だと思ったのかな。
好都合!

「口寄せの術!!」

ぼふん、と音がして双子が現れた。

「「エニシ!」」

「走って!逃げるよ!」

走り出した瞬間、


ババァン!!!


音からして五、六発。
振り返った時に見えたのは乱れ飛んできた鉛玉。
今から影分身は間に合わない。

出来ることは今、この場で土流壁を建てることだけ。

私側にいたタマは助かるけど、ミケには被弾する。

そしたら…

そしたら…ミケは…

「土流壁!!」

震える手で術を出したその時、視界の端に紙札がひらりひらりと舞っていた。

まさか!!

「小南!」

彼女が庇ってくれていた。
お陰でミケは無傷だった。

「ダメかと思った…ありがとう…。」

良かったぁ…。

「腑抜けてる場合じゃないわよ。」

分かってる。

「小南、ちょっと二人を守ってもらってていい?」

さっき、一瞬だけ出来た瞬間移動。
感覚的に、万華鏡を使ったものだと思う。

「…まさか、術でも試すつもり?」

呆れ顔の小南に、誤魔化し笑いを浮かべた。

「へへっ、そのまさか。」

「はあ…しょうがないわね。ここにいてあげるから行ってきなさい。」

「ありがとう!」

丁度いいのがわらわらと集まってきていた。
こいつらを実験台にしますか!

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