第13章 思ってたよりも綺麗な人
「タマ、ミケ。ここにいて。少し離れたところから口寄せするから、それまでここから出ちゃ駄目よ。いい?」
「やだ…!」
「置いてかないで…!エニシ…!」
私は傍にいたい思いに駆られて、きゅっと唇を結ぶと、不安そうな二人を抱き寄せる。
「大丈夫よ。五分もかからないうちに安全な所へ出れるから。絶対、置いてかない。約束する。」
「…絶対だよ、エニシ。」
「待ってるからね。」
「うん、待ってて。」
絶対、死なせない。
私は双子から手を離すと、ぐぐっと力を込める。
敵だって外で構えてるだろうから、一番最初に抜け出す奴が一番狙われる。
だから、最初からトップギアで駆け出さないと、無傷で攻撃の包囲網は抜けられない。
いくぞ!
ばっと穴から出た瞬間、
ドカドカアアァン!!
多数の起爆札付きのクナイが投げつけられた。
でも、岩鋭槍のせいか、爆発音の割には近くまできたクナイは少ないように思う。
接近戦を仕掛けてきた奴らは、クナイと怪力使って瞬殺した。
多分、合同で隊を組んだんだと思う。
白虎狙いの組織と、私狙いの組織が。
戦闘形態が少し違う気がするから。
岩鋭槍エリアは半径20mは優に超えていた。
これのお陰であまり近づかれなかったんだと思う。
解除すると綺麗さっぱり消えちゃうから逆に危なくなる。
それに、この中を双子には歩かせられないわ。
単純に体格からして通れないし、まごついてる間に取り囲まれそう。