第5章 やっと追いついた!
そのまま右へ左へ歩き回る内に、捉えた。
強いチャクラと弱いチャクラ。
動物のそれとは違う、人間特有の気配。
みーつけた!
私は、円を切って一直線に走り出す。
すると、相手も動いた。
突然視界に現れた鬼鮫。
「中々しつこいですねぇ。」
言いながら、鮫肌を振りかぶった。
「鬱陶しいんですよ。消えてくれません?」
ブンっと音がする程、勢い良く振り下ろされる大刀をスライディングで潜り抜け、目を凝らしてイタチを探す。
いた!
認識阻害の類を使ってるみたいで、肉眼で見える姿とチャクラの気配が別々だ。
私は迷わず一直線に走って、何もない様に見えるそれにダイブした。
「つかまえたー!!」
抱きつく様に両手で抱え込んだそれは、間違いなく人間の温もり。
すると、嫌そうなため息が頭上から降ってきて、見る間にイタチが現れた。
「お前は…、相変わらずだな。」
私を抱き止める様に受身をとって下敷きになったまま、やれやれと言わんばかりに額に手を当てていた。
ふふんだ!
私だってやれば出来るのよ。