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もう一度、を叶えるために。second

第13章 思ってたよりも綺麗な人



「…これ新術の部類だぞ。」

「そうね、画期的だわ。」

「へぇ、凄いじゃんデイダラ。」

やっぱ、爆弾で右に出る者はいないね。

「だろ?オイラは天才だからな。」

「さすが爆発の芸術家。んで、威力は変わらないの?」

イタチに目を向けると、彼は頷く。

「変わらないどころか威力が上がってるぞ。」

「これだったらもう少し小さい紙でも問題ないわね。」

「へぇ!マジで画期的じゃん。よっ!大国随一!」

「だろ〜?」

ふはっ。めっちゃ嬉しそう。

「私も写させてもらっていい?」

「私もこれほしい!」

小南と二人でデイダラにおねだりすると、彼は得意げに胸を張る。

「いいぞ。オイラは、もっと凄いの作れるしな。」

「さっすがデイダラ、太っ腹〜。」

ラッキー。大助かりだぜ!

「おうよ!もっとオイラを敬いやがれ!」

「よっ!天下一の芸術家!」

「もっとだ!」

「世界最高峰!」

きらきら〜。

「もっともっとだ!」

「ごめん。ちょっともう、お腹いっぱい。」

レパートリーが尽きた。

「早くねぇか!?」

「褒め言葉って、あるようでないよね。」

「絞り出しやがれ!」

無茶言うよ、この子は。
あ、そこに丁度良い物が…。

「ぎゅ〜。」

「誰が雑巾絞れっつった!?」

私達のやり取りを見ていた小南は、つい、と言った感じで吹き出した。

「ふふっ。いつもこんななの?」

「まぁ…大体な。」

イタチが苦笑しながら答えると、小南は楽しそうにくすくす笑う。

「毎日、楽しそうね。私も昔は…。」

そう言いかけたところで、小南の笑顔に寂しさが混じる。

「あなたは…、大切にしなさい。失わないように…。」

小さな呟きのような言葉に、イタチの笑顔がふっと消える。
そして、小南に応えることなく、彼女から視線が外れた。

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