第13章 思ってたよりも綺麗な人
「てめぇ…!」
デイダラが正面から飛びかかってきて首を掴んでゆさゆさと揺らすから、私は私でがら空きの脇の下をこちょこちょする。
「ぎゃっ!」
デイダラって擽られるのに弱いらしい。
いつも、ちょっと可愛い感じで飛び退る。
ふはっ。女の子みたい。
「てめぇ…!いつもいつも何しやがる!!」
「いや、脇ががら空きだったから擽ってみようかと。」
「そんなこと聞いてんじゃねぇ!!」
猫みたい。
こういう時、可愛いなと思ったりもする。
あ、他の所も弱かったりするのかな?
「デイダラってさ、首とかも弱かったりする?」
「…な、なんだその顔は。」
手をわきわきさせながら、じりじりと近づいていくと、彼はじりじりと逃げる。
「ちょ〜っとだけ試してみない?」
言うと同時にダっと駆け出すも、さすが反射がいい。ダっと逃げられてしまう。
「誰が試すか!そんなもん!!」
あっちゅ〜まに小南さんの後ろに隠れてしまった。
「残念…。」
「このイカれ女が!」
小南さんの後ろから顔だけ出して怒ってると、ほんとに毛を逆立てた猫みたい。
可愛いけど、しゃーないね。諦めよう。
それよりも、あの局面だと、どう盤上をひっくり返せばいいか考えなきゃ。
「イタチだったら、さっきのピンチをどう切り抜ける?」
「突然切り替わったな。」
「てへ☆」
「かわいくねぇ!!」
「うるさいな〜。」
知ってるよ。
「まぁそうだな…。影分身で陽動をかけつつ術者を叩くか…。」
「オイラに幻術は効かねぇぞ!」
まぁ、確かに私レベルの幻術は効かなかった。
デイダラって幻術に対しては物凄い熱量で対策してるみたい。
「それか、万華鏡で一掃するか。」
デイダラはまるっと無視で、続きを答えてくれた。
万華鏡で一掃、というと?
黒炎の天照か須佐能乎か、ってことかな。
どちらにしろ、真似できないな。