• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第12章 懐かしい顔と新しい顔



「おい、どういうことだ?」

「私もよくは知らないですけど、この子たちの親は見たことなかったんで、攫われたか拾われたかなんだろうな〜と思ってたんですが…。だよね?」

イタチにも振ってみたら、頷きが返ってきた。

「俺も親を見ていない。大名屋敷で大きな檻の中で二匹だけで飼われていた。」

それを聞いて、サソリさんは溜め息と共に頭を抱えた。

「世の中、馬鹿が多すぎる…。」

「ほんとにね。」

それについては全面同意する。

めんどくせぇ…、と呟きながら、サソリさんは巻物を開いて、何かの巻物を取り出した。

「ほらよ。」

ぽん、と投げてよこされた巻物を開いて読んでいくと、

「おぉ?これって…。」

「契約について、か?」

イタチにも見えるように開くと、隣に座って一緒に読んでくれる。

「お前に見せたんじゃねぇんだがな。」

サソリさんは、なんとも渋い顔でイタチを見るもんだから、私は「すんません」と謝りながら、ぺこっと頭を下げる。

「でも、私だけだと自信なくて。イタチの方が正確なんですよ。」

「…字くらい読めるだろ。」

「解釈が悪かったりして?」

てへ☆、と誤魔化したら「ふん」と鼻白まれた。

「あとでちゃんと返せよ。」

そう言って、サソリさんは背を向け、すたすたと歩き出す。
と思ったら、また振り返った。

「汚すんじゃねぇぞ。」

「了解であります。」

ぴしっと敬礼すると、特に突っ込まれず(スルーされたとも言う)、サソリさんはそのまま家に帰っていった。

/ 802ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp